さようなら、スイカペンギン。
「あれ、いないよ!?」
エセ紳士は思わず声を上げてしまった。それもそのはず、そこについているはずのものがついていないのだから。エセのケータイのストラップとして3年以上も機能してきた「スイカペンギンストラップ」が、忽然と姿を消していた。文字通りストラップの紐の部分だけを残して。楽しい時も、悲しい時も、うれしい時も、切ない時も、いつもエセと一緒にいたはずのスイカペンギン。ケータイは変わってもストラップだけはいつも同じだった。
「旅に出ちゃったんだね。」
そう思い込んで、諦める、いや、見送ることにした。